「___Eve・Forsyth。
 ……妖精の、丘……嗚呼。違う。
 痛い、痛いのです。」

「いけない いけない
 わたしは、禁忌を___
 だけれどどうか 災厄をおそれないで
 終焉に おびえないで
 だけれどどうか わたしを」


名前:Eve・Forsyth

読み:イヴ・フォーサイス

種族:エルフ

年齢:73

所属寮/学年:アースラント寮/第二学年

性別:女性


性格:ああ、彼女はどこか、壊れてしまった。ふと気付いた頃、自らの異変に気づき始めた頃にはもう遅かった。痛いと、悲しいと、どこかの心の内で想ってしまった頃には、もう。壊れた、壊れた、それは完膚なきまでに。放つ言葉は支離滅裂なようで、されど辛うじて会話は可能なほど。ただし、一部の質問には支離滅裂なまま答える。それは触れてはならない場所、彼女に深く入った罅の場所。彼女が答えてはならないと思ってしまった、琴線。__すなわちは、「核」である。
断ずべき悪に落ちることこそなかれど、その完全性が、善悪を裁断する目が失われたのは確かだ。善悪を見抜き、悪の多さに絶望し、自らの身を投げ打って悪の排除に徹するイヴはもういない。あの完全性によって成り立っていた冷酷非情は崩れ落ち、しかして一介の少女に至るまでにはまだ遠い。
ただひたすらに、己の手を、手を、その手を悲しむ。あるいは嗤ってでもみせるか、この少女もどきは。多くを滅ぼした手を、自ら恐れる。無駄に感情と言えない感情のかけらを手にしてしまったせいで、恐れを、悲しみを、痛みを、知った。故に、恐れる。大切なものをさえ壊してしまいそうな、破壊の手。
今は封じられども、その手は、手は。彼を、彼女を、感情を、邪悪を、邪悪を、邪悪を、邪悪を___数え切れない邪悪たちを。取り返せぬ、取り返せぬ。疑似的な神さえもが、時の螺子を逆に巻くことは。一度その手で壊してしまえば、一度その目で悪と断じてしまえば、取り返せぬ。後悔しても懺悔しても神に祈っても戻りはせぬ。そうして最初にその手に血を塗っていったあの七人は、もう。


容姿:自らの体に対する創傷に抵抗を覚えないため、傷が所々に残った痛々しい肌に覆われる身丈163cmに及ぶ細い身体。身体の先までもが細くしなやかで、その様子からはまるで彼女の異端ぶりなど思わせない。色の抜けきった頭髪は腰まで伸び、同色の瞳は微かに青の澱みを見せている。また、理由は不明ながら種族にそぐわず耳が尖っていない。彼女は手のみならずこの耳までもを疎んでいるようだ。

服装:基本的にはスタンダード・カラーのブラウスを身に纏い、下半身はズボンであったりスカートであったりと不規則。踵の高い靴を履いている訳でもなくおめかしをしているわけでもなく、唯一異端なるは鎖を強引に壊したような意味を成さない手枷のみ。手枷から伸びる鎖はそれぞれ40cmほど。非常に厳重な魔術的効果が仕掛けてあるようで、一級の魔術師が取ろうとしても取れないというのが現実。容姿としてはその手枷を除き特に変わった様子はない。稀に私服らしき姿や性別にそぐわぬ姿が伺えるのはこのような何かにすら興味を抱くような変人の仕業である。


固有スキル:『裁断』
正邪を判定し、邪悪とされるものだけに発動するスキル。力を一切必要とせず、認知しなおかつ触れている物を瓦解させる。それも瓦解の後砂の如く消えていく、存在すら許さない圧倒的な破壊。これらの破壊は一日のうち三回まで許されており、この制約を破った場合の罰はEveのみが知る。また、特に複雑でない魔術的防御は基本保有スキルの影響で貫通する。
本来触れられないものには作用しないが、彼女がその生に幕を下ろすまでに触れられないものに対する破壊を三度のみ許されている。その場合、スキルは物体のみならず、「感覚」や「触れられないもの」にまで作用させることができる。その回数は右手首に呪印とは異なる形の三画の青の紋章として刻まれており、使用は残り二回のみ。感覚であれば感覚の持ち主、触れられないものであればそれが存在する場所に触れることで発動する。(空間といったはっきりと認知出来ないものには使用不可)


保有スキル:
『読心術』
半径10m以内の生物の思考を読み取る。発動は任意であり、特定の人物の物のみといった微調整も可能。人間から植物まで生物であれば対象は問わないが、多くが会話不能である所が欠点。
『溶解』
魔法空間、魔法防壁の効果を溶解し攻撃を貫通させる。
『高速詠唱』
呪文の詠唱を高速で行うことができる。


魔術媒体:星と月を模したペンダントと入学祝いに贈られた杖とを使い分けている。ペンダントについては情報が圧倒的に少ないが、持ち歩くようにしてはいるよう。また、ペンダントには一部小さな罅が入っている。

武器:持ち歩いていない。

選択科目:騎竜術得意/苦手科目:呪文学、防衛術学、錬金術/世界史、魔法史
「のろわれてしまう、皆が嫌っている___」。


来歴:ミュディティコの森に生まれ、木の上に築かれた文明の中でもその血は貴きものであったという。元より長寿なエルフでありながらなお長寿で高貴な血を持つなどと、多くの者が羨むような位置に立っていた。
___「……アングイス。これを食べれば、わたしは幸せになるのね」
___「アングイス。これを食べれば、神様と成るのね」

___「ええ お嬢様 この私が保証いたしましょう」
___「この世に神などおりませぬ」
___「故に 貴方が神となりなさい」
___「邪に終焉をもたらし 悪に破滅をさずける神」
___「至った暁には みな 泣いてよろこぶでしょう」

___「……そうね。私、皆を裁断します」

「もしも神がおわしますならば」
「わたしという新たな神は すぐに零落してしまうでしょう」

「神さま。いないのなら、わたしがなるわ」

彼女は多くを語らない。笑える少女の一人であった筈の彼女が、どうしてここまで豹変したのか。それすら口に出そうとはしないのだ。

備考:其は終わり。其は災厄。其は留まることを知らず、断罪の剣。裁定の剣。そして其は、禁忌を犯した大罪人なれば。種族にそぐわぬ丸い耳、これこそは罪人の証である。異端の証である。_そして其は、狂気。禁忌の子。マールムの子。至るには、早すぎたのだ。


募集:木偶人形に積極的に関わろうとする方。(性別・寮・学年問わず)


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