オリヴィアの創造者、J.E.H.フォン・ファルケンハウゼン伯爵の設定は雑談掲示板にも投下しましたが、必要性を感じたのでこちらにも上げておきます。もし使いたければ、この設定の一部ないし全部をご自由にご利用してくださって構いません。ただし、彼は公的には3年前に死亡しているのでご注意ください。もし生きていれば101歳ですね。もし生きていれば。
「あたし?うーん、エミーって呼んで欲しいな。エミ~~っ……って伸ばして発音すると、みんな笑顔になってくれるから♡」
「(咳払い)……それで、あたしに用があるってのはキミのこと?……安心して、できないことなんかないよ。あたしはもうキミの中に煌めく魔術師の原石を見出してるし。それがあたしの見間違いだとしても、ゼロから原石を作っちゃうからさ!……えへへ、錬金術師だからね♡……だからさ、信じて。あたしが君を信じてるってことを。ほら、立って。一緒にがんばろ?」
名前:Emmy a.k.a. Joseph Emil Hermann Graf von Falkenhausen
読み:エミー あるいは ヨーゼフ・エーミール・ヘルマン・グラーフ・フォン・ファルケンハウゼン
種族:ヒューマン
年齢:98歳
担当:錬金術、呪詛学
性別:可変。平時はだいたい女の子。
性格:めちゃくちゃに明るい高気圧ガール。ガール。例え誰が相手だろうと自分のペースに持っていこうとする圧倒的なパワーと、98年の人生経験を活かして相手の心にずるずる浸透していく強かさを併せ持つ。ただ、やはり本質はジジイのそれで、キレると可愛らしいお口から前時代的な罵倒が飛び出したりすることもある。もっとも、年長者特有の余裕と器量をどっさり持っているこの老人をキレさせるのは、竜に針の穴をくぐらせるより難しいだろうけれど。
容姿:画像は
https://picrew.me/image_maker/1171011
こちらも可変。人間の形さえ保てれば、赤子はおろか獣人にも悪魔にも変身できる。ただ、ぱっくりと開いている左頬の古傷だけは変えられずにどうしても残ってしまうので、顔さえ見れば正体を見破るのは簡単。
【女の子の姿”エミー”】
だいたいはこの姿を取っている。外見の肉体的な年齢は17歳ほどだが、きらめく金髪をツインテールにして纏めているせいで、それ以上に幼く見える。身長は低く、そのせいで誰かと話すときには桃色の鮮やかな瞳が上目遣いになる。全体的にあどけなくもあざとい雰囲気があり、同性よりも異性に好かれるタイプの女子が演出されている。この姿の時は骨格から声帯、臓器の配置に至るまで全てが改造されているため、それこそ魔法でも使わなければ”本性”に気づくのは難しい。……もっとも、エミーの傷の話は学内では有名なので、新入生相手でもなければすぐバレるのだけれど。
【じじいの姿”ファルケンハウゼン伯爵”】
「『こんな老いぼれ、簡単に騙くらかしてやるさ』……卿らの目がそう言っておるわ。……して、何故黙るか。抗弁が無いなら立ち去れ。次に顔を見せたら犬の餌にしてやる」
あんまりふざけられない場に赴く時などは流石に少女の姿は取らずに、年齢相応の老爺の姿へと変身する。といってもこちらが彼の本来の姿というわけでもなく、威厳と圧力を最大限演出するために設計されたフォルムの一つにすぎない。たっぷりとたくわえた白い口髭を節くれだった指で整えながら、皺だらけの顔にさらに皺を寄せ、鈍ることのない鋭い視線を周囲に投げかける老爺の姿は中々に威圧的なので、皺の形状がこの姿に変身する度に変わっていることがバレたことはない。
服装:
黒・白・茶色を基調にカジュアルな印象の服でまとめる、いかにも学生でございます、といった具合の服装が主。そこらへんの学生に紛れて学内を徘徊し、学生と同じ目線でコミュニケーションを取るのが趣味なため。決して相手が”伯爵”だと気付かずにナンパしてしまったうっかりさんの度肝を抜くためではない。
ノリの良さが天元突破して狂気の域に達しており、催し事があると当然の権利のようにコスプレを始めることさえある。最近のお気に入りはメイド服。
固有スキル:【内なる獣、バフォメット】
暴力的な効果の「黒魔術」の詠唱が恐ろしく早くなるが、それ以外の魔法の詠唱がものすごく遅くなる。
保有スキル:
・味覚拡張 → 舌で味わった物質が何なのか、かなり高い精度で鑑別できる。
・収納術 → 狭いスペースにものを詰め込むのがとてもうまい。
・悪食 → 口から取り入れたものは何でも消化して、オドとして吸収できるようになる。
・自己修復 → 傷や病気からの治癒速度が早くなる。
・テンプルの騎士 → 例えどれだけ遠く離れていても、ベルグロス皇帝の危機を察知する。
魔術媒体:物心ついた頃から使い続けている銀の杖。杖としては長め。度重なる邪悪な存在との交戦のせいでかなり黒ずんでおり、銀色の部分を探す方が難しい状態……になっても同じ杖を使い続けている。
武器:杖(喧嘩のとき)、魔法薬(マジのとき)
来歴:
今でこそ大陸に並ぶ者のない奇人として知られる伯爵だが、彼も初めからそうだったわけではない。エーミール・ファルケンハウゼンは、ベルグロス皇国の軍事貴族、ファルケンハウゼン伯爵家の次男坊として生まれた。彼は極めて優秀な魔法使いで、召喚魔術、とりわけ守護霊魔法に才覚を発揮。魔術大学にも一応入り、錬金術コースに進んだが「猫のクソと婆の爪の垢を煮込むだけの退屈な学問」には飽きてしまう。成人してすぐに大学は自主退学、伯爵家の伝手でベルグロス皇国聖堂騎士修道会の魔導騎士となり、騎士団の一員として、当時隆盛していた黒魔術師の一党の掃討作戦に参加した。
複数の守護霊を難なく同時に操るエーミールという、鋼鉄よりも堅い盾を手に入れた騎士団は順調にいくつもの拠点を攻略していき、とうとう最後の一拠点まで黒魔術師たちを追い詰める。いつものように突入部隊の先頭となったエーミールが、ドアを蹴破って、最後の戦いへと突っ込んだ瞬間……エーミールは意識を手放した。戦いが終わって数日後、病床の上で目を覚ましたエーミールが目にしたのは、黒魔術師に呪いを掛けられ、山羊頭の化け物へと姿を変えた己の姿だった。
獣人との交流もほとんどなかった時代。「悪い黒魔術師」が崇拝していた獣にそっくりの化け物へと姿を変えられたエーミールは社会から排斥される。皮肉にも、黒魔術師が根絶やしにされたせいで誰も呪いを解読できず、初めは彼を支えようとした戦友たちも風評が自身の家族へと及び始めると、一人、また一人とエーミールから離れていった。実家からさえ出ていけと言われ、失意のうちに自室に帰り、持っていく私物を纏めていたエーミールは、棚の底で、何かが光を反射するのを目にする。持ち上げるとそれは、何となくしまったままにしておいた、学生時代に使ったフラスコだった。エーミールはすぐにフラスコを覆う埃を払った。
山羊の舌は人とは違う、魔法の詠唱なんて出来やしない。でも錬金術ならそんなの関係ない。人の寄り付かない廃墟と化した、かつての黒魔術師の拠点を転々とし、彼らが遺した実験材料を盗みながら変身薬の研究を続ける間、何千回も日が昇っては暮れる。とうとうエーミールが諦めかけたある夜、やけになって魔法薬に酒を混ぜ、一気飲みして空にしたフラスコに、蝋燭で照らされた少女の顔が映った。「……酒だ。酒が鍵だったんだ」不意に高い声が出た時、エーミールは、初め驚きのあまり声が裏返ったのかと思った。だがどれだけ冷静になっても、声が戻ることは無い。すぐさま実家へと駆けて行き、門を叩いて、出てくるや否や自分を口説こうとした実父の頭部に回し蹴りを叩き込んだ時、エーミールの研究は完成したのだった。その日、彼女は十数年ぶりに手鏡を買った。
……そんな話も今は昔。あたしがここに就職して、錬金術と変身薬の研究に没頭してる間に、親父も兄貴も戦友も、みーんなあたしより先に死んじゃったからさ。今の”エミー”は真摯に『カワイイ』を追い求め続ける一人の女の子以上の何かじゃないよ。以下ではあるかもしれないけど、あはは……ともかく、重苦しいのなんて無し無し!あたしと一緒にかわいくなろ?♡いや、別にかわいくはならなくてもいいけど……あたしはキミに、自分がなりたい自分になって、誰かとお話できることは、とても、とても素敵なことだって教えてあげたいの。
備考:老いてなお盛ん。
著作に『精霊の再構築と自律実体の展開について』『一滴の魔法薬が伝える真理のメッセージ~祖先は見ている~』『魔法肉体構築薬学概論/ファルケンハウゼン変身薬学』、『ぼく・わたしのわくわくアルケミー入門』『竜・両刃剣・鉄』『高次降霊穿孔錬金術/ファルケンハウゼン高次錬金術』などがある。
募集:ないよ
関係:オリヴィア←私が作りました